夏とアイスと甘酒と【今週のお題 ベストアイス2023】
今週のお題「ベストアイス2023」
見知らぬ土地へ旅行したとき、楽しみにしていることのひとつが「ご当地アイスを食べること」だ。
母の趣味だったのが*1、いつのまにか娘の私にもうつった。
名物に旨い物なしというけれど、ご当地アイス(ソフトクリーム)に関しては当てはまらないのではないかと思う。どこで食べても、それなりに美味しい。
もっとも、これは「旅先で食べる」特別感が判定を甘くしているのかもしれない。
美しい景色を眺めながらベンチに座って食べるのは、もちろんいい思い出だ。しかし、電車やバスの発車時刻とにらめっこしながら、口内の冷たさに耐えつつ立ち食いするのだって、振り返れば笑える記憶になる(雑な食べ方をしてもギリギリ許せる価格なのも重要)。
ここ数年は旅行らしい旅行をしていないので、ひそかな楽しみを味わう機会もなかった。
そんななか、訪れた人形町で出会ったこの広告。
甘酒横丁の『甘酒ソフト』!!
正直、迷った。甘酒はあまり好きじゃないから。
初詣でふるまわれる甘酒が好きなのは、シチュエーションも込みでの話。寒い冬、凍える指先と白い吐息、参拝客でにぎやかなのにどこか厳かな雰囲気。
飲む点滴と評されるほど豊富な栄養をもち、バテがちな夏こそピッタリな疲労回復効果があるのは知っている。健康ドリンクとして甘酒は定番人気があることも。
でも、ソフトクリームかあ……。半端に甘い後味だったらいやだな。
しのごの言いましたが、たいへん美味しかったです!
ひとくち食べた瞬間「??」となったのが、塩気をはっきりと感じたこと。
おしるこや南瓜の煮つけに少量の塩を入れ、甘さを引き立たせるのと理屈は一緒だと思う。しょっぱいというより味がクッキリする感じ。
甘い、でも飽きない、まだまだいける。
普段であればかき氷やアイスキャンディが食べたくなる炎天下のなか、ぺろりと食べ終えたのでした。
ソフトクリームをいただいたのは下記リンクのお店。機会があればぜひ! 私もまた訪問するつもりです。
帰宅後も身体が軽いような気がして、甘酒を生活に取り入れてもいいのでは……?と検討中。
とはいえ、毎日忘れずに飲む自信はちょっとない。
市販の甘酒を使ってアイスバーも作れるんですね。これなら簡単だし、不器用な私も失敗しないかも。チャレンジしてみたい!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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*1:甘いものは好きだが、そこまで積極的に食べるわけではない母としては珍しい
『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』感想 かたくなな心を解きほぐす鍵【ぼちぼち晴耕雨読】
読書感想 2023年 7月その②
「SNSのキラキラした写真が投稿者のすべてではない」
そんなことは言われるまでもなくわかってる。
なのに、なぜ振り回されてしまうのだろう? この小説の主人公も、そして私も。
『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』の話です。
“喫茶ドードー”は「おひとりさま専用カフェ」を舞台にした連作短編集。発行から1年あまりで17刷を数えている人気シリーズです。
作者が現役のカフェ店主だけあり、登場する料理や飲み物のディテールが凝っていて、それだけで食べることが大好きな私はワクワク。
見落としてしまいそうな小さい看板にまねかれ道を進むと、路地の先には小さな一軒家が。5人で満席のこぢんまりした店は、「そろり」さんと呼ばれる男性がひとりで切り盛りしています。
緑豊かな庭にもテーブルセットが置かれ、ときにはそこに案内されるお客さんもいます。外の席には料理を提供するための楽しいしかけがあるのですが、それは読んでのお楽しみ。
ひとつ重要なこと。
この小説は、すべてのエピソードでコロナ禍の毎日が描かれています。
とくに前置きもなく、あたりまえのような顔をして。
何年もあとに、本や映像でしかコロナウィルスが猛威を振るった日々を知らない世代がこの小説を読んだとき、いったいどんな感想を抱くんだろうか。
そういった視点でも興味深く読みました。
「ていねいな暮らし」に磨り減っていく心
冒頭の問いに戻ります。
「SNSのキラキラした写真が投稿者のすべてではない」
そんな当然の話を忘れてしまったのが、第1話の主人公です。
可絵は「ていねいな暮らし」に疲れ果ててしまった女性翻訳者。
SNSで出会ったお気に入りのユーザーが投稿する写真に憧れ、紹介されていた南部鉄器のスキレットやほうきを購入し、モーニングルーティンの瞑想も欠かさない。
習慣が義務のようになり、さらには重荷になりはじめたころ、憧れの人の変節を知ってしまいます。
ぽっきり折れた心を抱え喫茶ドードーに立ち寄った彼女に、そろりがかけた言葉とは……。
正直ね、このエピソードちょっとツッコミいれつつ読みました。
SNS(おそらくインスタ)にあげる写真なんて、きれいなもの美しいもの他人に見てもらいたいものなんだから、キラキラ眩しくて当然でしょう*1。
失敗した手料理の悲惨さをあらそって大喜利するTwitterとはワケが違うよ……
身の丈に合わない努力が空回りしてる。今時、そこまで振り回されるか?と首を捻ってしまって。
主人公はわりと特殊な職業である翻訳者、在宅ワークでマウントとってくる同僚もおらず、年齢的にも30代なかばと落ち着いてるころだし、キャラ的にもマイペースにやれそうなのになぁ。「頭ではわかってる、でも……」と焦燥にかられるタイプには見えなくて、読みながら不思議でした。
もしかするとコロナで閉塞感がある日々だからかもしれない。
買い物はネット、電車に乗ったり店員とやりとりしたりの「雑多な」刺激はなく、目に映るのは美しいHPの写真。
他人と自分をリアルでくらべる術がない。
世界から取り残されたような感覚は、私にも覚えがあります。
1話目は“ていねいな暮らし”に憧れる翻訳家、2話目はジェンダーギャップに憤り、自由であろうとする女性……。
喫茶ドードーを訪れる人たちは、けっして間違ってない、真摯に懸命に生きている人たちです。
でも少し「かたくな」で、心が疲れている。それを解きほぐすのが、そろりの料理とおしゃべりなんですね。
****************
そういえば、主人公憧れのインフルエンサー(?)はなぜ方針を変えたんだろう。商業主義っぽくないのがウケてファンがついたんだろうに。
私と同じ疑問を持った方は、ぜひ第3話まで読むことをおすすめします。
面白いけど、コロナ禍の生活といい、あからさますぎるくらい現在(いま)を反映した小説だなー、なるほど売れるのわかるわぁ
……ご覧のとおり斜に構えて読んでた自分が、素直に良かった!と感じる物語でした。
喫茶ドードーの続編はまだ読んでいないので、そのうちゆっくり楽しみたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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*1:インスタアカ持ってないので想像です
『「罪と罰」を読まない』感想 【ぼちぼち晴耕雨読】
読書感想 2023年 7月
コロナ罹患後、約1ヶ月。いまだに咳止めと痰切りの薬は手放せないものの、ようやく日常生活が戻ってきました。
闘病中に困ったことのひとつが、集中力がまったく続かないこと。簡単な家事をやるのもひどく疲労してしまう。
それならば、いっそ休養ついでに読書三昧しよう!
私の思惑をよそに、小説もマンガも、雑誌をパラパラと眺める作業すら怠くてできない。こんなはずではなかった……。
ブログ復帰後に思いました。
「もっと気軽に文章を書けるようにしたい」という今年の目標に沿って、読書感想も簡略化していこう。
もともと読むのが遅いうえストライクゾーンが狭いため、この感動を伝えたい!と奮い立つほど気に入る本はごくわずか。さらに気合の入った記事を作成していたら、年に数本もアップできない。
そんなわけで、ちょっとした読書メモのようなものもブログに綴っていくことにしました。
シリーズ名は【ぼちぼち晴耕雨読】(良いのが思いつかず……そのうち変えるかも)
よろしければお付き合いください。
『「罪と罰」を読まない』小説のプロ4人が披露する“バカ日本地図”ロシア文学版
映像化多数の人気小説家・三浦しをん。
エッセイ集も手がける翻訳者・岸本佐知子。
ふたりユニット「クラフト・エヴィング商會」名義のほか、個人でも活躍する吉田篤弘、吉田浩美。
とある宴席の片隅で、いわば「本のプロ」であるこの4人が、名作小説『罪と罰』を読んでいないと判明したことからこの企画はスタートしました*1。
主人公はラスコなんとかいう長い名前。老婆を殺すんでしょ? ソーニャって女の人が物語のキーポイントなのは知ってるんだけど。
きわめてあやふやな情報を持ちより、「読んでいない小説の読書会をする」──これが本書のコンセプトです。
未読の本をどうやって語るのか。粗筋すら推測の状態で、登場人物の心理に迫り、作者の意図を読み取ることははたして可能か。
そんな実験的(ある意味で)な作品でした……いや、なんなんだ一体。変な本。
まさかしょっぱな島耕作が出てくるとは思わなかったよ
座談会メンバー全員が舞台となるサンクトペテルブルグの知識も曖昧なため、三浦氏の『社長島耕作*2』ロシア編のサンペテ情報を手がかりに現地の気候や雰囲気を想像していきます。この時点ですごい。手がかりの糸が細すぎる。
一応「ひとつの章につき3回まで、適当なページを1枚選び朗読して粗筋を推理する」のは許されているのだが、中途半端な情報はかえってメンバーを混迷させました。
なつかしいですね、バカ日本地図。本人たちはいたって真剣なぶん、積み上げられていく想像上の日本地図(この場合『罪と罰』)のトンチキ具合におかしくなってしまう。
ミリしらお絵描きはTwitterでオタクアカウントを持っていると、1度は目にしたことがあるはず。名前の響きだけで似ても似つかない姿にされたり、見た目で「すごく活躍するキャラに違いない!」と描いたら、実際はそうでもなかったりする。
本書でも、モブに毛の生えたようなキャラが(思わせぶりなシーンに朗読があたったため)めちゃくちゃ重要人物のように語られました。
メンバーが女3男1なので、女性陣の存在感が強いなぁというのが読み終えての感想。テンションが終始、とっても高い……。
座談会終了後、『罪と罰』を読んだ4人はあらためて集まり語り合うのだけど、そこではスヴィドリガイロフが女性たちに大人気でした。でも私、なぜか三浦しをんさんの小説キャラクターにハマれたためしがないので、おそらく『罪と罰』を読んだら別の感想を抱くと思う(今さらですが自分も未読です)。
吉田篤弘さんの着眼点や語り口にいちばん好感を持ちました。昔いくつか読んだきりのクラフト・エヴィング商會の作品、また手にとってみたいです。
おまけ
ドストエフスキーというと、まっさきに頭に浮かぶのがこちらの方。
『日出処の天子』『ポーの一族』などのレトロ少女マンガを初めて読むTwitter実況まとめが有名ですが、ドストエフスキー愛読者として初心者向けの紹介をいくつも作成されています。
どちらも勢いがあって面白い! 『「罪と罰」を読まない』が楽しく読めた人なら親近感を覚えると思うので、機会があれば読んでみてください。
ドストエフスキーの二次創作してるドスヲタ、よく「存在したんだ😂」と言われるけど割と存在してるよ コミケでは0〜3サークルぐらい
— カラマーゾフの犬 (@karama_kurumi) August 13, 2021
中国では12人ぐらいいるらしいし、台湾では1人しかいないらしいけど(界隈狭すぎて数えられる)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
※今週のお題「読みたい本」に投稿したかった題材です。
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味噌汁は怠惰な人間を救う【今週のお題・朝ごはん】
今週のお題「朝ごはん」
朝にめっぽう弱い。
早朝にブログを書いたりもするのだけれど、それは大抵「なにかの都合で早寝をし、変な時間に目が覚めてしまった」イレギュラーな状態。
目覚まし時計の鳴るまえに、すっきりと起きられた記憶は、ここ数年皆無だ。
夜型人間がまとも(?)な朝食を用意できるかどうかは、前日の献立にかかっている。
副菜、ときには主菜も、多く調理して翌朝にまわす。
作り置きなんて丁寧な暮らしっぽく表現するのはちょっと恥ずかしい。私をふくめ、家族全員「ゆうべの残りもの」を出しても一向に気にしないタイプだからこそ使える手です。
たとえばきんぴらごぼう。太くザクザクと切ったのも歯応えがあって大好きだが、あえて細めに作り、翌朝トーストにチーズとのせて焼く。野菜とタンパク質、両方がいっぺんに摂取できるうえにカンタン! マヨネーズやカニカマを追加して味変することも。
しかし、やっぱり出番が多いのは味噌汁(スープ)+卵!
夏以外は*1このメニューが定番。
手軽な減塩対策として、汁もの類はなるべく具沢山にするよう心がけている我が家。野菜がたっぷり残った味噌汁をあたためたら、あとは卵をひとり1個ぽんっと入れるだけ。
不思議なもので、卵をおとすとそれだけで独特の風味がでる。
「なんでも卵でとじればOK、解決」と言われるほど懐が深い食材だけれど、味噌汁(スープ)卵の場合は具との相性がはっきりあると思う。
個人的ベストマッチは【キャベツと油揚げの味噌汁&卵】他の組み合わせで、うなるほど美味しい!と感じたことはいまだにない。
卵の価格もようやく落ち着きそうな6月末*2。
体温を上げると免疫力も高まると聞きますし、朝ごはんに味噌汁、いかがでしょうか。
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オマケ 18品の朝ごはん
いつか体験してみたい! と長年憧れをもっているのが、築地本願寺カフェの「18品の朝ごはん」。
写真を見ているだけでワクワクしてしまう。あいかわらず予約でいっぱいのようで、訪れるのはなかなか大変そう。
本願寺は毎月パイプオルガンコンサートを開催しており、そちらは参加したことがある。にぎやかで荘厳な雰囲気はさっぱり感じとれなかったものの、気持ちが明るくなって楽しかった。
祈りの場としてはもっと素朴なお寺さんが好きだけれど、このバイタリティは見習いたい……(イベント盛りだくさんの本願寺HPを眺めながら)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
↓↓↓ こんな状況で6月後半は潰れていました。咳などの後遺症が心配ですが、薄紙をはぐように良くはなっているので……来月は予定通りに生活したいものです。
風邪かと思っていたらコロナだった
— みのりブログ (@minoriblog_info) June 24, 2023
この数年間、気をつけていたつもりだけど逃げきれなかったか……
諸々が落ちついた今の時期にかかったのが不幸中の幸い
味覚障害がやっと改善されてきてホッとしてます https://t.co/QXL9FIlqYS
雨の日は空を見上げて【今週のお題 レイングッズ】
今週のお題 レイングッズ
清澄白河の、夢のような傘専門店のはなし
その日はとても疲れていて、おまけに雨が降ってきて、傘をさそうにも私の両手は荷物でいっぱい。そもそも折り畳み傘を持ってくるのを忘れてしまった。
踏んだり蹴ったりな気分で小走りに家路を急ぐ。本格的に濡れるまえに、なんとしても帰らなければ。
そう思っていたのに、通りすぎた景色のなかに鮮やかな色を見つけ、ふと足をとめた。
住宅街のあいだに建つ、白い小さな店舗。外にもれる灯りはいかにもあたたかそうで、雨で冷えた身には慕わしかった。
どうやら傘屋さんであるらしい。
エントランスから店内に入る壁にはアーチがあり、ゆるい曲線の向こうに、私の目を奪ったあふれる色彩の傘たちが、花のように咲いていた。
店の名前はCoci la elle(コシラエル)
あの日、もう10年近く昔の話。
私は本当にボロボロのよれよれで、店舗の奥から出てきたスタッフさんが「どうぞ、見ていってください」と声をかけてくれたのに、ほんの1歩足を踏み入れただけで帰ってしまったのでした。
一瞬の出会いでも忘れられないほどに、そのお店は美しかった。
いつかこの店の傘を買いにこよう。
そんな決心をしたものの、諸事情で清澄白河から足が遠のき数年。
今回のお題のためにホームページを見て、コシラエルが閉業していたことを知った。
コシラエル本店残すところ3ヶ月となりました。
— Coci la elle (@cocilaelle) June 3, 2022
傘の最後の再入荷もありお店が華やかに勢揃いです。
梅雨前にぜひ出会いの1本を見つけにいらしてください。
WEBストアもぜひ覗いてみてください。https://t.co/iTbdb7W9GN pic.twitter.com/uGpNtLGeCA
このアーチ何人の人が通ってくださったのだろう。本当にありがとうございました。
— Coci la elle (@cocilaelle) September 24, 2022
このアーチの木枠は現在施工中の長野のアトリエへ、お守りとして移築しました。
明日で最後という実感がまだありませんが、
この数日ゆっくりお別れと御礼をいいました。
最終日どうぞ、よろしくお願いします。 pic.twitter.com/l8mf5h80xv
客未満の自分がわざわざブログに綴るのもおかしいのだけれど、感じた衝撃をどこかに書きとめておきたかった。
憧れの傘専門店として紹介するつもりだったんです……。
お気に入りの傘とアンブレラスカイ
さて、ここからはお題に沿ってレイングッズの話。
水彩イラストがかわいい長傘、レトロなバンブーハンドルもあわせて大のお気に入り。
雨の日に晴れやかな柄の傘をさすと、空を見上げるのがちょっと楽しい。
観光地などで人気のアンブレラスカイ(カラフルな傘を空に向けて飾る、フォトジェニックなあれをそう呼ぶと最近知った)をひとり開催しているようなものだ。
大事な傘、使用後は室内で十分に干し、納戸のなかのいちばん良い場所に鎮座している。
もうひとつの憧れ、レインブーツ
私は背が低い。
病的な低身長ではないし、身内も小柄なためふだんは意識しないが、自分よりひとまわり小さそうな女性が相対すると目線が上にあり「おや……?」となることもしばしば。華奢な骨組みは人を小柄に見せ、反対にがっちりめの自分は、、という理屈(悲しい)。
背が小さければ、たいてい足も短い。そのためブーツを選ぶのは一苦労。
膝下で終わるはずの履き口が半端な位置でたぐまったり、膝に食いこんだり。
そんな自分にとって、レインブーツをさりげなく履ける人は憧れなのです。
じゃあ、どこの商品を買うか。
HUNTERは実物を見るとかなりゴツい、長靴タイプだったから?
日本野鳥の会ブーツ、好きだけど個性的すぎて履きこなせる気がしない。あの「B」のロゴが悪目立ちする予感。
「長靴が似合わなければアンクルブーツでいいじゃない」
そんな意見にもっともだと思いつつ、いちど刷り込まれた憧憬はなかなか消えないもので……。※あと、あんなに丈が違うのに値段があまり変わらないのも納得いかない。
現状ムーンスターの全天候型スニーカーがいちばん自分に似合いそう。
実際に商品を見たときも、足だけが不格好に目立つことなく、履いた瞬間から自分のものと感じる馴染み具合だった。
ただし、それなりに高い! いま愛用のスニーカーが古くなったら検討予定。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回ちょっと文体が迷子です。エッセイのときは、普段よりくだけた調子のほうが書きやすい気がして、試行錯誤中。
今週のお題「レイングッズ」
【完全版】東京駅の隠れ家的博物館!インターメディアテク『極楽鳥』展へ行きました②
『極楽鳥』展 ☆インターメディアテク☆
ゴールデンウィークの喧騒も、あっという間に日常に紛れ消えていきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、先日UPしたインターメディアテク『極楽鳥展』の詳細レポートです。
インターメディアテクは商業施設KITTEのなかにあるミュージアムです。
日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働で運営しており、東京大学が蓄積してきた学術標本が主な常設展示を占めます。
「学術標本」というとピンときませんね。要は動物の骨格、剥製、鉱物や植物まで、ありとあらゆるものの標本が並んでいるのです。
鳥類の剥製や骨格標本なども多く、訪れるたびに鳥たちの色彩の鮮やかさ、多様な姿かたちの不思議さに圧倒されてきました。
それらのリアルな「鳥」と、鳥をモチーフに作られた「ジュエリー」の競演が実現したのが『極楽鳥展』です!
鳥モチーフのジュエリー
まずは気に入った写真を何点か。
ピエール・ステルレ作『鳥のブローチ』、鳥の胴体に見立てた石はアクアマリンだそう。
実物はもっと可愛かったんです! 被写体が小さいうえ、スマホカメラの性能限界を感じる。
赤い石のデザイン違いで、ヒナが生まれ4羽並んでいる作品もありました。
ハチドリ? 軽やかに舞う姿に見惚れます。
繊細な細工を活かすためか、ジュエリーは大半がブローチでした。
モチーフとして多く使用されたのは孔雀、それからハチドリ。
個人的にハチドリのほうがずっと好きでしたね。孔雀はデザインがすでに華麗の極致、ジュエリーになるときらびやか過ぎて……。
私の写真ではいまいち美しさが伝わらないので、下記ムービーをどうぞ。ジュエリーの細部を堪能するだけでなく、展示会場の雰囲気も味わえます。
こちらも魅力が伝わりやすい特集です。
鳥の剥製標本
次は宝飾芸術のイメージ源泉となった鳥たちの剥製標本。
パラワンコクジャク。羽の目玉模様が恐ろしくも美しい。
世界最大の鳩、カンムリバト。たしかに驚くべきサイズ感でした! 大人でもたっぷり一抱えぶんあります。
この壁、うっかり通りすぎるところでした。
長いながい物体の正体はオナガドリの尾!(天井近くに鳥がいるの見えますか?)
尾羽が傷まないように、運動させるときは飼い主が尾を持ち、後をついてまわるのだとか。
飼育方法を調べていくと驚きと疑問がわきあがりますが、「普通」の鶏の育ち方も知らない自分が簡単に批判はできないですね。
ちなみに展覧会タイトルの極楽鳥はフウチョウ類の別名です。
昔ヨーロッパに持ちこまれたとき、この美しい鳥は運搬の利便性のため翼と脚が切り取られていました。
そのため当時の人々は「天上に住み、いちども地上へ降りることなく風に乗って飛び続ける鳥」という意味をこめ、「極楽鳥」と名付けたそうです。
自然の偉大な造形を前にしたとき、人類が抱く壮大な幻想。
そのイメージを小さなブローチに表現する技術力、無視できないエゴイズム……、鑑賞後いろいろ考えてしまうタイトルでした。
ミュージアムの魅力☆東京のど真ん中で異空間へトリップ
舞台となる旧東京中央郵便局舎は、昭和モダニズムを代表する建築として知られていたとか。
標本のケースやキャビネットも、かつて帝大など教育現場で使われていたものです。
時代の流れを刻んだ什器につめこまれた多くの標本。無造作な展示の様子とは裏腹に、ラベルには小さな手書き文字で丁寧に説明が綴られている。
タイムスリップしたような、どこか異国の屋敷に招待されたような……場の空気とあいまって、不思議な雰囲気にひたれるミュージアムです。
特別展最終日の駆け足鑑賞でしたが、それでも満足できるほどに楽しい経験でした。
そうそう、来場者には「超豪華フルカラー40Pの展示ガイド冊子が無料配布」という信じられないお土産もあったのです!
Twitterで話題だったそうで……。訪問予定のイベントはあまり情報収集しないスタンス(新鮮な驚きが損なわれるため)の私は現地で知りビックリ*1。閉館時にもまだまだあった在庫はどうなるんだろうといらぬ心配をしてしまいました。終了後でも希望者には配布、とかあれば最高なんだけど。
……とか言っていたら、非公式Botさんがツイートされてました。冊子配布中!
東京駅近辺にお出かけの際は、ぜひ寄ってみてください!
例の本はまだまだ配布中なので、転売から買う必要ないですよ。
— 非公式インターメディアテク (@IMT_Schedule) May 20, 2023
っていうか転売の養分になったらっだめですよ。
[扉]*´≡`) https://t.co/i6rgfoZvYg
入館無料なのが申し訳ないほど素晴らしい施設だと毎回思います。
せめて「IMTブティック」※一般で言うミュージアムショップ で買い物をしたかったのですがタイムリミット。オリジナル商品のほか、東京大学の研究成果から商品化されたアイテムもあり、風変わりで楽しいのですよね。次回リベンジします!
↓ 一部はオンラインショップでも購入可能 ↓
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回はディオール展の記事をまとめる予定です。
こんな記事も書いています。
*1:もらっていいの?と躊躇してた自分に声をかけてくれた方ありがとう!
東京駅の隠れ家的博物館!インターメディアテク『極楽鳥』展へ行きました①【今週のお題】
インターメディアテク開館十周年記念特別展示『極楽鳥』
土砂降りの雨が降るゴールデンウィーク終盤、インターメディアテクへ遊びにいきました。
美術好きのあいだで、長く「東京駅の隠れ家的スポット」として愛されている(独断)こちらの博物館。
旧東京中央郵便局舎の一部を保存した建物は広々として、都会のど真ん中だということを忘れてしまう静けさに満ちています。
2月末、「インターメディアテクが撮影可能になった」との情報がTwitter上で広まりました。
あの素敵空間を写真に撮れる! でも、大きな魅力の静謐さがシャッター音でだいなしになるとイヤだなあ……。
そんなジレンマを抱えつつ、現地へ向かったのはGW最終日。
ちょうど特別展『極楽鳥』もその日が最後でした。
たいへん見応えがあり、常設展示とはまた違う方向性で楽しかった!
天候不順と、短い時間しか鑑賞できないのを理由に諦めようかと思ったけれど、行ってよかったです。
感想は近日あらためて書く予定*1。
他にもいくつか記事にしたい展覧会があるので、がんばろう……!
今週のお題「何して遊ぶ?」