みのりブログ

毎日を楽しく暮らしたいのんびり者です。

【プロポリスキャンディー】森川健康堂に完全敗北した日【コロナ後遺症】

今週のお題「体調が悪いときの過ごし方」

 

『あなたのかぜはどこから?』

綾瀬はるかに聞かれたら、迷わず「私は喉から」と答える。

 

 

喉がわりと弱い体質だ。体調不良の前段階、けっこう疲れたなという時点で喉の奥が痛いような違和感に悩まされる。

咳まで出ずに終わることがほとんどのため、薬を飲むのを迷っているうち、なんとなく良くなっている……そんなケースが多い。

 

本当は、特効薬があるのだ。

でも、私はそれをなるべく見ないふりをしてきた。

なぜなら不味いから。

 

 

森川健康堂のプロポリスキャンディー。

 

特効薬はちまたで効果絶大と評判の飴で、声優や歌手など、声のお仕事で活躍する方々が愛用している商品だ。

 

周囲でも支持者が何人もおり、「あれ? と思ったら、まずこの飴」と全幅の信頼を置いている様子。

私も効能を疑いはしない。現にいままで何回も助けられている。

風邪の引きはじめの喉の痛みなどは、舐めて眠れば翌朝にはスッキリ。口に入れたときのピリっとした辛み(プロポリス特有の刺激成分とのこと)は類似品にはないもので、それだけ有効成分が多いのだと思う。

 

 

ただ、匂いがもうとんでもなく苦手!

甘ったるい、なのに薬っぽい強烈な匂い。これさえ無ければ……!!

舐めている人が横に立つだけでウッとなってしまう。目の前で話されると、一歩うしろにさがる。マスク必須の毎日で少しは緩和されるかと思いきや、自分が食べる場合、匂いがマスクにしみついて悲惨なことに……。

 

いざというときは頼るけど、なるべくお近づきになりたくない。他人行儀な距離感の生活がずっと続いていた。

ところが2023年夏、そんなことは言っていられない事態になったのだ。

 

コロナ罹患→後遺症で咳が止まらぬ日々

 

幸い自分も家族もコロナは軽症で、短時間の発熱と数日間の味覚障害が主だった。

ただ、私だけ咳がどうにもおさまらない。

すごく痛い、辛いわけではないけれど、咳が出始めるとまったく眠れなくなり、酷いときは吐き気に似た感覚が続く。ゲホゲホやるたび全身に負荷がかかり、あちこち痛くなってしまう。痰は取っても取ってもまた絡み、息をするたびに首元でヒューヒュー音がする……。

 

咳喘息を疑いレントゲン撮影もしたけれど異常なし。治療方法は確立されておらず、基本的に投薬しながら時間の経過を待つしかないとのこと。

 

長い人では半年近くこのままと言われ、脱力……

 

発症したのが6月半ば、咳がほぼ出なくなったのが11月はじめ。丸4か月以上、医師の見立てよりちょっとだけマシな日数で全快。

薄紙を剥ぐように少しずつしか良くならないのは、命の危険がないとわかっていても不安なものだった。

 

そして11月、「文学フリマ」直前に悪化

 

急激に寒くなったのがいけなかったのだろうか。

初の文学フリマ参加を計画している真っ最中に、体調がやや戻ってしまった。咳はさほどでもないが痰が出て、これでは眠れそうにない。

 

(病院に行く時間はないし、そもそも処方された薬はあんまり効かなかったなあ。困った)

 

混雑するなかで頻繁に咳をするのは気をつかう。慣れない場所でのマイナス要因はできるだけ避けたい。

思案する私の視界に、悪目立ちする緑のパッケージが入った。

 

不味いアレ。でも効果抜群なやつ。痰にも効くだろうか。

 

 

背に腹は代えられない。迷っている時間もない。

私は手をのばし、包装ごしでも独特の匂いのする飴を思い切ってつかんだ。

 

 

blog.hatenablog.com

行けたよ! 残念ながら「はてなブログ文学フリマ本」無料配布は終了してたけど!

 

咳や喉の痛みほどではないものの、プロポリスは痰も鎮めてくれました。さすが!

 

短い時間の滞在ながら得るものがたくさんあった文学フリマ、近々まとめて感想をかきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

【関連記事】

セリカレー、薬膳カレーの趣があるけれど美味

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体調管理が重要な年齢になりました

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現代アート初心者におすすめ! 『荒木珠奈展 うえののそこから「はじまり、はじまり」』

 

荒木珠奈展「うえののそこから はじまり、はじまり」開催中~10/9(月・祝)

 

東京都美術館で開催中の荒木珠奈展へ行ってきました。

 

正直、現代美術ってよくわからないんだよなあ……

しかし、この展覧会については心配ご無用! 作家名も知らぬまま、チラシを見て「かわいい!! 行ってみたい」と直感で行動したのは正解でした。

 

 

公式サイト

https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari/

 

artexhibition.jp

 

東京都美術館の企画展についてはアタリが多く、行列する特別展より好きかもしれません。数年前の『BENTO おべんとう展』をはじめとして、記憶に残るイベントがいくつもあります。

 

おべんとう展について触れた記事

minorimainiti.hatenablog.com

 

館内は写真撮影OK。鑑賞者参加型の作品が多いせいか、スタッフの方が一般の展覧会にくらべ多い印象です。要所要所で解説をしてくれるので、わからないことがあれば聞いてみるのもいいでしょう。

 

 

       

 

       

 

遠目にもカラフルな上記作品は『詩的な混沌』、カラーセロファンを貼られた紙製ボックスの中身は裸電球ひとつ。

1枚目の写真で手前にうつる舟?手押し車?は別作品なのですが、『詩的な混沌』といっしょに撮れてお気に入り。よるべない星々と、そこへ向かう船のようで。

 

きれいだなーと眺めていたら、スタッフさんが「新しいランプを増やしてみますか?」と声をかけてくれました。

自分の好きなランプを選べるけれど、暗がりなので電球の色やボックスの模様はコンセントにさしこむまでわかりません。ワクワクしながら明かりをともすと、こんな感じでした。

 

 

落ち着いた緑の背景がシックなバラ模様。

 

電柱から線をひき、電気を盗んで暮らすメキシコ貧民層の暮らしから着想を得た作品だそうです。違法行為なのはもちろんのこと、そうせざるを得ない環境を考えるとランプの美しい輝きも少し違って見えてきますね……。

 

 

 

       

       

 

『うち』と名付けられた作品では、壁一面に白いベニヤ板の小さな箱がとりつけられています。その数、なんと100個とか!

南京錠がかかったそれらの白い箱は、いくつかは閉ざされ、いくつかは開いて光をふりまいています。

「気になる箱があったら番号を教えてください」とスタッフさん。迷いつつ選び、南京錠の番号を告げると、鍵が手渡されました。不器用なので箱を壊さないよう慎重に鍵をまわし……。

 

団地住まいだった荒木さんの思い出から作られた本作。『詩的な~』のように感銘を受けはしなかったものの(中には版画作品があると聞いてたけれど、よく見えなかった)コンセプトが素敵。

 

 

鑑賞方法がわからないなりに、社会的意義のある作品群もゆるく楽しませてもらいました。

ここからはサーカスや昔話をモチーフにした版画作品などです。

版画なら私にも(良さが)わかる!

 

 

 

       

 

       

 

       

 

『花散らしの雨』俯瞰した構図と傘の鮮やかな赤い色、周囲を舞う花びらが印象的な1枚。

 

       

       

       

 

       

       

       

 

 

立体作品もいくつかありました。

 

       

       

 

遠野物語』和紙とニスでできた山のなかには明滅する電球が。明るくなると和紙ごしに焚火を囲む人や動物などのモチーフが浮かび上がる仕掛け。かわいい&楽しい! つい時間を忘れて長居してしまいました。

 

 

 

最後は本展覧会の目玉であろうインスタレーション『記憶のそこ』です。

 

       

 

この大きさ! 間近で見ると迫力でした。

『記憶のそこ』は内部に入って鑑賞することもできます*1

 

       

 

巨大な鳥籠と見えた物体は、空洞の内から見渡すと恐竜の骸骨にも思えました。大きな生きものに飲み込まれたような、不思議な感覚。これは小さい子すきだわ絶対……。

 

       

 

 

 

会期終了まであと半月弱、機会があれば足を運んでみてくださいね。

10/1(日)は都民の日、どなたでも無料で見られます!

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

「美術展・展覧会」関係はこんな記事も書いています

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*1:安全のため入場は1人ずつ、隙間から出入りするのは厳禁

夏の最後に 藝祭2023レポ【X(旧Twitter)より転載】

藝祭 2023年9月1日~9月3日

 

藝祭へ行ってまいりました!

 

昨年は時間指定チケットを買えた人のみ入場可、それ以前はコロナの影響でオンライン開催と、なかなかハードルが高かったイベント。数年ぶりに訪問できて感動です。

geisai.geidai.ac.jp

 

新たな試みとして、今回はSNSに投稿した内容を中心に記事を書いてみました。普段の記事よりも簡素ですが、現地の雰囲気を想像しつつ、さらっと読んでいただければ。

 

 

私が参加したのは最終日。雨を心配していたのが嘘のように、陽射しがさんさんと降りそそぐ暑い日でした。

法被が売っているの初めて知りました! 御輿と同じく、学科ごとにデザインされる法被も藝祭の楽しみのひとつ。去年は展示を見られなかったので、学外のアートマーケットで法被姿の学生さんに遭遇すると嬉しかったです。

 

当時の感想ブログ

minorimainiti.hatenablog.com

 

 

 

 

                     

 

                     

 

 

1枚目の龍は模型。 パレードで「上野6丁目商店街連合会賞」を受賞した神輿は、最終日に街でパフォーマンスを行うため長時間お留守なんです。 戻ってくるかなと待ってみましたが、体力が限界だった(帰宅)

 

 

御輿の制作過程は公式アカウントで公開されています。

イベント終了後、買い手があらわれなければ御輿は処分されるそうで……。サイズがサイズなので、立候補する人も少ないのでしょうね。

 

 

                       

 

頭部なしウサギ(仮)の作品名は『ねそねそ』、ああ~~なるほどピッタリ。

 

 

 

読者さんの大半はご存じないと思いますが、当ブログは「汗に悩む人向け」の記事もいくつかアップしています。

そんな私には正にうってつけの展示! 長々と見ていたので、やや不審者だったかもしれない。

 

この夏よく読まれた汗関係の記事

minorimainiti.hatenablog.com

手掌多汗症について

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背紋ではなく「背守り」だ!ととっさに浮かんだのは、昔LIXILギャラリーで開催された企画展が素晴らしかったからでしょう。魔は背後(背中)から忍びこむと考え、悪しきものを退けるために子どもの着物につけたお守り。

 

intojapanwaraku.com

livingculture.lixil.com

 

 

 

                 

                       

 

説明を読んでも制作手順をぼんやりしか理解できませんでした。 私の認識より3Dプリントがはるかに進化してるんだろうなー。そのうちパッケージなどで商品化するかもしれないと楽しみにしています。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

夏への英気を養うパセリカレー 脇役なんて言わせない!

今週のお題「苦手だったもの」

 

「苦手」まではいかないんだけど。

農家さんには本当に申し訳ないけれど。

脳内で言い訳しつつ、皿に添えられたソレを真っ先に飲み込んでしまうのは、やはり苦手だからなんだろう。

 

パセリのことだ。

鮮やかな緑が美しい、食卓の彩りに(見た目だけは)最高な野菜。

 

 

野菜という意識すらなかったかもしれない。あくまでも添え物、お弁当の隙間を埋めるアイテムといった認識。

家族が好んでいたので食べる機会は比較的多かったが、どこがいいのかさっぱりわからなかった。苦いし、食感もっさりしてるし、不味い総菜にはパサパサに干からびたのが乗っかってきたりする。

 

ところが、昨年からちょっと状況が変わってきた。

まさかパセリの束を喜んで買う日がくるとは!

 

きっかけは下記記事で感想を書いた1冊のエッセイ。

minorimainiti.hatenablog.com

 

この本で紹介されていた「パセリカレー」が、どうにも美味しそうで気になった。ひと口でも難儀するあのパセリを、山盛り使用すると言う。

 

いや~さすがに青臭いんじゃない? 薬膳カレーみたいな感じかな? カレーのスパイスで苦みを誤魔化すのかも、しかしそれならパセリをわざわざ入れる意味は……。

 

 

興味津々だったので、実際に作ってみました

 

      

 

もはや我が家の定番メニューのパセリカレー。その名に恥じぬ、両手からこぼれるほど大量のパセリを使う。

 

驚くほどパセリの嵩が減るんですよね! でもほろ苦い風味はちゃんと残り、料理に深みを出す。

薬膳カレーとの予想はけっこう的確だった。牛豚の合挽き肉を使うのだが、肉の臭み(とくに牛肉)をパセリの苦みがやわらげて、カレーのスパイスとも調和している。

 

家族の証言「パセリということでもっと青臭いかと思ってた。でも全然そんなことなくて、ギャップにはまった」

 

 

レシピはこちらの記事を参考にどうぞ。↓↓↓

「大人のカレー」のタイトルに深く頷いてしまう。たしかに子どもは好まない味だ。

eclat.hpplus.jp

こちらの記事のほうが写真が多く、わかりやすい。(パセリの量の表記が違う)

dancyu.jp

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光さす邸宅で楽しむガラス芸術 『フィンランド・グラスアート』展

フィンランド・グラスアート』展 東京都庭園美術館

 

庭園美術館で開催中の『フィンランド・グラスアート』展へ行ってきました。

※9/3(日)まで!!!

www.teien-art-museum.ne.jp

 

いやあ暑い暑い。美術展チケットで庭園も入場可能なんですが、あまりの陽射しに一瞬足を踏み入れただけで退散しました。緑を愛でる余裕などない……。

 

    

       

       

 


こちらの美術館、建物の外観と室内装飾のギャップにいつも戸惑います。

そっけないほど無駄をそぎおとした正面玄関から入っていくと、内部はアール・デコの美の極致。ルネ・ラリックのガラスレリーフ扉が訪問客を迎えてくれます。

 

 

 

通常は写真NGですが、今回の企画展は一部をのぞき撮影可能とのこと。

知らずに見にきたのでラッキー!

昨年も同じ条件のイベントがあったようで、時代の流れですね*1。周囲への配慮を忘れず、撮影に夢中になって鑑賞そっちのけにせず、上手に楽しみましょう。

 

 

 

インテリアや食器だけじゃない 「グラスアート」の国・フィンランド

   

 

    

       

 

 

ガラス工芸に関して知識がまったくない私。正直なところ、今回訪れたのも庭園美術館めあてです。

関心が薄い状態でみるのは退屈じゃないか?と思いつつ鑑賞してたんですけど、杞憂でした。

 

 

朝香宮邸という舞台がグラスアートを飾るのにぴったりなんですね。

庭に向けて開かれた大きな窓が、そこからの光が、室内を明るく照らす。光はガラスをより美しく見せる。真夏のすさまじい太陽も、洋館の厚い壁を通るとやわらいでみえます。

もちろん普通の照明も使われているわけですが、自然光をふんだんに取り入れることにより、室内に不思議な陰影ができていました。

古い建物には静けさがあってほしい。そんな希望を叶えてくれる暗がりでした。

 

       

 

       

 

鳥モチーフのグラスアートが何点も飾ってあり、どれもたいへん可愛らしかった!

 

 

       

 

タピオ・ヴィルッカラ作『ヘラジカ』、本展覧会でいちばん好きだった作品。

ヴィルッカラのグラスアートは自然の造形をそのまま切り出してきたような、斬新で目を奪われる作品が多かったです。

釣り好きな大統領への誕生日プレゼント『氷上の釣り穴』も素晴らしかったので、下記の記事の写真をぜひ。私のスマホカメラと技術では撮影が難しかった……。

 

artexhibition.jp

 

 

       

 

下2点の写真は近年の作品。

手がける作家にもよりますが、最近の作品はカラフル、かつ大きなサイズのグラスアートが多い印象。私の好みとはかなりズレました。個人的に工芸品は小ぶりなものが好き。

 

 

       

       

 

ガラス工房の作業風景ビデオも興味深かったです。 いつも思うけれど、溶けたガラスはまるっきり飴細工ですね。あんなふうに変容するのが信じがたい。

 

 

 

アール・デコ建築の美 庭園美術館

 

訪れた日は開館時間を延長していたため徐々に混雑してきたけれど、ごった返すまえに離脱。

美しい館内をぞんぶんに堪能して帰宅しました。

 

 

       

 

       

 

 

庭園美術館の象徴ともいうべき、アンリ・ラパン「香水塔」(噴水器とも)。

上部の照明部分に水の代わりに香水を流し、照明の熱で芳香を漂わせたとのエピソードは、あまりに浮世離れしたお話でちょっと想像が追いつきません。

 

 

 

       

    

  

 

暖房器具のカバー! いつ見ても飽きない、多種多様なデザイン。眺めていると時間があっという間です。

 

     

       

       

       

 

 

次に庭園美術館に来られるのはいつだろう。その日までに、もう少しアール・デコの知識と撮影技術の向上を目指したいです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

美術関係ではこんな記事も書いています。

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*1:頻繁に来ていた気分だけれど、前回訪問がいつだったか思い出せない……。10年はたっていないはず……?

94歳の新聞ちぎり絵『木村セツ原画展』ただいま全国巡回中! 

 

『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』展 覚え書き 2023年4月上旬

 

【人間はいくつになっても新しいことに挑戦できる】

希望に満ちた、ちょっとだけ胡散臭い言葉。

しかし、この教えを体現している人も確かに存在する。

 

 

木村セツさん、御年94歳。

89歳で夫を亡くし、90歳から新聞ちぎり絵を始めたアーティスト。

SNSのフォロワーは8万。あたたかい作風と、ソフトクリームや缶ビール・卵かけごはんといった親しみのもてるモチーフで、ファンは日々増え続けています

 

 

 

 

配偶者を失い寂しそうに過ごすセツさんに、ちぎり絵をすすめたのは娘さんでした。「母は手先が器用だから」程度の軽い気持ちだったそう。

 

いままで絵を描いたことのなかったセツさん。当初は題材の選定・下絵描き・素材調達まで、すべて娘さんの担当でした。しかしセツさんのちぎり絵に対する情熱はどんどん高まり、現在は下書きから素材集めまで御本人が行っています。

新聞広告しか使わないのもセツさん流こだわりのひとつ。めずらしい色の広告は「これは貴重な色やな」と喜び、大事に保存します。素材を集めた箱の数は4箱を超えたとか!

 

www.oricon.co.jp

 

4月上旬、表参道の山陽堂書店で開催された原画展へ行きました。

そのときの感想を写真とともに紹介していきます。

 

なお、『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』刊行記念原画展は全国を巡回中。

あなたの暮らす町にもやってくるかもしれません!

 

この記事で興味を持たれた方は、ぜひ公式HPをチェックしてみてくださいね。

satoyamasha.com

 

 

 

横殴りの雨の中、足を運んだ原画展(山陽堂書店にて)

 

購入した絵はがき!

 

 

どうしても原画が見たくて、横殴りの雨のなか足を運びました。想像以上に素晴らしく、思いきって行ってよかった!

月並みな表現だけれど、人は何歳になっても挑戦できる、成長できるんだと勇気をもらいました。

 

階段をのぼったさきの山陽堂書店の上階ギャラリー。15人も入ればいっぱいの小さなフロアに、同じく小さな額縁がずらりと。

撮影は遠景のみOK*1

『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』刊行記念 木村セツ原画展 2023年3月27日(月)〜4月8日(土) | 山陽堂書店情報サイト

 

   

      

 

木村セツさん宛ての感想ノートが置かれており、たくさんのファンにまじって私も「お身体をいたわりつつ創作活動を楽しんでほしい」と綴ってきました。

 

   

 

お祝いのエビフライ定食。ネットに食べている写真を掲載したら「このエビ、ちぎり絵で作ってください」とファンからメッセージが届いたそうです。思わず微笑んでしまう誕生エピソード!

 

 

   

*1:「撮影は引き、もしくは斜めから」な注意書きを時々目にするけれど、正面接写は無断コピーなど悪用される恐れがあるから……との理解で合ってるだろうか

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思い出は近く、遠く。白滝の豚そぼろと祖父の思い出

日記 2023年8月

 

荒天続きのお盆休みが終わった。

 

もっとも、お盆という感覚はあまりない。私の住む地域は7月半ばに行事をすませているからだ。

毎年7月になれば店先に仏花や迎え火用のおがらが並び、仏壇には提灯が飾られる。それが当たり前だったので、大人たちの言う「お盆休み」と日程がズレていることを疑問に思ったのは(かなり)成長したあとの話。

気は強いのに、どうにも抜けたところのある子どもだった。

 

 

お盆休みといえば、帰省する人も多いだろう。

父方の祖父母と同居し、母の実家も近隣であったため、いわゆる「田舎」を私は持たない。

すべての親族と気が合うはずもなく、戻れば戻ったで気苦労も多いと聞くが、夏休みあけに友人から披露される話はやっぱり新鮮で、ずいぶん羨ましく思った。

 

 

今はもういない人を偲ぶ日

 

同居していた祖父は優しく、おだやかな人だった。

怒られた記憶は、私が祖母に対して意地悪なことを言ったとき1度きり。

もう何を言ったのかすら忘れているのに、叱責されたときの恥ずかしさ、後悔、そういった感情だけはくっきりと刻まれている。

 

(高齢のためもあるだろうけれど)鶴のように痩せていて、そのくせ結構な大食らいで*1、近所の肉屋で買う揚げたての豚カツが大好物。

初めて見る人はびっくりするだろう、草鞋みたいに大きな豚カツを「たまにこれを食べないと力が出ない」とたいらげるのだ。

 

祖母はふくふくと太った丸い女性だったが、食事量が特別に多かった覚えはない。家族とはいえ本人たちの前でしゃべることではないので、こっそり母と「“蚤の夫婦”そのまんまだねえ」と頷きあった。

 

 

 

祖父の好物といえばいくつも思い浮かぶ。

白滝と豚ひき肉と生姜を甘じょっぱく煮た、豚そぼろもそのひとつ。とくにレシピもない、昔から定番おかずとして食卓に並び、私も覚えてきた家庭の味。

今も当たり前に作り続けている。

 

 

  

 

しめじを入れるとボリュームが増えて好きだ。歯応えのある白滝にひき肉がよく絡み、ご飯がいくらでも進んでしまう。生姜はたっぷり派。豚肉の臭みを消し……なんて用途を超えて、山ほど入れる。ピリリと辛い風味がたまらない。

 

味噌卵*2とセットで二色丼にするのもお気に入り。

ちなみに味噌卵は母が学生時代に自分で作っていたお弁当の定番メニュー。適当な量の味噌を入れるだけ、気が向いたら顆粒だしか味の素も追加。忙しいと味噌を溶かさず卵に投入するので、出来上がった炒り卵は場所によって塩辛かったり薄味だったり。

その「適当さ」も含めて家庭料理の伝承なので、良しとしている。

 

 

 

心残りは祖父においしい肉じゃがを食べてもらえなかったこと。

祖父は病気で倒れ、あっという間に亡くなった。記憶が曖昧なので数ヶ月の猶予はあったのかもしれないが、学校で忙しい私には短い時間だった。

 

倒れる数日まえに祖父の好物だった肉じゃがを作った。

私は料理を母に教わりつつ始めたばかりで、肉じゃがの出来は寝ぼけたような薄味。焦がさなかった、健康に良さそう(塩分の圧倒的な少なさ)と長所をあげても、不本意な結果には違いなかった。

祖父の反応はどうだっただろうか。おいしいとフォローしてくれたか……もう覚えていない。

祖父が車で病院に向かうとき、留守番の私に弱弱しく振ってくれた細い手。そんなことばかり覚えている。

 

後悔とは違うのだけれど、亡くなったあと、何年たっても肉じゃがを食べるとおじいちゃんを思い出す。

 

お盆だからと特別なことはしないが、思い出すのも大事な供養なのだろう。

今年はブログにも書けた。個人的な記憶を文章にする機会はなかなかない、感謝しています。

 

 

おまけ 箸置きを新調しました

      

       

 


普段使いしていた箸置きを家族がゴミと一緒に捨ててしまい、戸棚をひっくり返し探してきた。

たぶん旅行先で購入したもの? ころんと丸みを帯びたフォルムと柔らかい色がかわいい。

くぼみがないので下手すると箸が転がってしまうが、上品に食べろという戒めでしょう。たいへん気に入っている。

 

 

 

とりとめのない話でしたが、読んでいただきありがとうございました!

 

 

こんな記事も書いています。

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お題「簡単レシピ」

 

 

*1:普段の食事量は普通、ときどきガッツリ食べるタイプ

*2:今回調べてみたら「卵味噌」表記が一般的なんですね何故ですかメインは卵なのに……不服です