光さす邸宅で楽しむガラス芸術 『フィンランド・グラスアート』展
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『フィンランド・グラスアート』展 東京都庭園美術館
庭園美術館で開催中の『フィンランド・グラスアート』展へ行ってきました。
※9/3(日)まで!!!
いやあ暑い暑い。美術展チケットで庭園も入場可能なんですが、あまりの陽射しに一瞬足を踏み入れただけで退散しました。緑を愛でる余裕などない……。
こちらの美術館、建物の外観と室内装飾のギャップにいつも戸惑います。
そっけないほど無駄をそぎおとした正面玄関から入っていくと、内部はアール・デコの美の極致。ルネ・ラリックのガラスレリーフ扉が訪問客を迎えてくれます。
通常は写真NGですが、今回の企画展は一部をのぞき撮影可能とのこと。
知らずに見にきたのでラッキー!
昨年も同じ条件のイベントがあったようで、時代の流れですね*1。周囲への配慮を忘れず、撮影に夢中になって鑑賞そっちのけにせず、上手に楽しみましょう。
インテリアや食器だけじゃない 「グラスアート」の国・フィンランド
ガラス工芸に関して知識がまったくない私。正直なところ、今回訪れたのも庭園美術館めあてです。
関心が薄い状態でみるのは退屈じゃないか?と思いつつ鑑賞してたんですけど、杞憂でした。
旧朝香宮邸という舞台がグラスアートを飾るのにぴったりなんですね。
庭に向けて開かれた大きな窓が、そこからの光が、室内を明るく照らす。光はガラスをより美しく見せる。真夏のすさまじい太陽も、洋館の厚い壁を通るとやわらいでみえます。
もちろん普通の照明も使われているわけですが、自然光をふんだんに取り入れることにより、室内に不思議な陰影ができていました。
古い建物には静けさがあってほしい。そんな希望を叶えてくれる暗がりでした。
鳥モチーフのグラスアートが何点も飾ってあり、どれもたいへん可愛らしかった!
タピオ・ヴィルッカラ作『ヘラジカ』、本展覧会でいちばん好きだった作品。
ヴィルッカラのグラスアートは自然の造形をそのまま切り出してきたような、斬新で目を奪われる作品が多かったです。
釣り好きな大統領への誕生日プレゼント『氷上の釣り穴』も素晴らしかったので、下記の記事の写真をぜひ。私のスマホカメラと技術では撮影が難しかった……。
下2点の写真は近年の作品。
手がける作家にもよりますが、最近の作品はカラフル、かつ大きなサイズのグラスアートが多い印象。私の好みとはかなりズレました。個人的に工芸品は小ぶりなものが好き。
ガラス工房の作業風景ビデオも興味深かったです。 いつも思うけれど、溶けたガラスはまるっきり飴細工ですね。あんなふうに変容するのが信じがたい。
アール・デコ建築の美 庭園美術館
訪れた日は開館時間を延長していたため徐々に混雑してきたけれど、ごった返すまえに離脱。
美しい館内をぞんぶんに堪能して帰宅しました。
【開催中|フィンランドグラスアート展】
— 東京都庭園美術館 (@teienartmuseum) July 4, 2023
アルヴァ&アイノ・アアルト、グンネル・ニューマン、カイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルパネヴァ、オイヴァ・トイッカ、マルック・サロ、ヨーナス・ラークソ。
8名のデザイナー・作家による競演がお楽しみいただけます。#東京都庭園美術館 pic.twitter.com/B0N7FSkvHX
庭園美術館の象徴ともいうべき、アンリ・ラパン「香水塔」(噴水器とも)。
上部の照明部分に水の代わりに香水を流し、照明の熱で芳香を漂わせたとのエピソードは、あまりに浮世離れしたお話でちょっと想像が追いつきません。
暖房器具のカバー! いつ見ても飽きない、多種多様なデザイン。眺めていると時間があっという間です。
次に庭園美術館に来られるのはいつだろう。その日までに、もう少しアール・デコの知識と撮影技術の向上を目指したいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
美術関係ではこんな記事も書いています。
*1:頻繁に来ていた気分だけれど、前回訪問がいつだったか思い出せない……。10年はたっていないはず……?