現代アート初心者におすすめ! 『荒木珠奈展 うえののそこから「はじまり、はじまり」』
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荒木珠奈展「うえののそこから はじまり、はじまり」開催中~10/9(月・祝)
東京都美術館で開催中の荒木珠奈展へ行ってきました。
正直、現代美術ってよくわからないんだよなあ……
しかし、この展覧会については心配ご無用! 作家名も知らぬまま、チラシを見て「かわいい!! 行ってみたい」と直感で行動したのは正解でした。
公式サイト
https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari/
東京都美術館の企画展についてはアタリが多く、行列する特別展より好きかもしれません。数年前の『BENTO おべんとう展』をはじめとして、記憶に残るイベントがいくつもあります。
おべんとう展について触れた記事
館内は写真撮影OK。鑑賞者参加型の作品が多いせいか、スタッフの方が一般の展覧会にくらべ多い印象です。要所要所で解説をしてくれるので、わからないことがあれば聞いてみるのもいいでしょう。
遠目にもカラフルな上記作品は『詩的な混沌』、カラーセロファンを貼られた紙製ボックスの中身は裸電球ひとつ。
1枚目の写真で手前にうつる舟?手押し車?は別作品なのですが、『詩的な混沌』といっしょに撮れてお気に入り。よるべない星々と、そこへ向かう船のようで。
きれいだなーと眺めていたら、スタッフさんが「新しいランプを増やしてみますか?」と声をかけてくれました。
自分の好きなランプを選べるけれど、暗がりなので電球の色やボックスの模様はコンセントにさしこむまでわかりません。ワクワクしながら明かりをともすと、こんな感じでした。
(1枚目)紙製ボックスのランプ、私が選んだのはこんな柄でした。 pic.twitter.com/ToG4Rsvg8o
— みのりブログ (@minoriblog_info) September 19, 2023
落ち着いた緑の背景がシックなバラ模様。
電柱から線をひき、電気を盗んで暮らすメキシコ貧民層の暮らしから着想を得た作品だそうです。違法行為なのはもちろんのこと、そうせざるを得ない環境を考えるとランプの美しい輝きも少し違って見えてきますね……。
『うち』と名付けられた作品では、壁一面に白いベニヤ板の小さな箱がとりつけられています。その数、なんと100個とか!
南京錠がかかったそれらの白い箱は、いくつかは閉ざされ、いくつかは開いて光をふりまいています。
「気になる箱があったら番号を教えてください」とスタッフさん。迷いつつ選び、南京錠の番号を告げると、鍵が手渡されました。不器用なので箱を壊さないよう慎重に鍵をまわし……。
団地住まいだった荒木さんの思い出から作られた本作。『詩的な~』のように感銘を受けはしなかったものの(中には版画作品があると聞いてたけれど、よく見えなかった)コンセプトが素敵。
鑑賞方法がわからないなりに、社会的意義のある作品群もゆるく楽しませてもらいました。
ここからはサーカスや昔話をモチーフにした版画作品などです。
版画なら私にも(良さが)わかる!
『花散らしの雨』俯瞰した構図と傘の鮮やかな赤い色、周囲を舞う花びらが印象的な1枚。
立体作品もいくつかありました。
『遠野物語』和紙とニスでできた山のなかには明滅する電球が。明るくなると和紙ごしに焚火を囲む人や動物などのモチーフが浮かび上がる仕掛け。かわいい&楽しい! つい時間を忘れて長居してしまいました。
最後は本展覧会の目玉であろうインスタレーション『記憶のそこ』です。
この大きさ! 間近で見ると迫力でした。
『記憶のそこ』は内部に入って鑑賞することもできます*1。
巨大な鳥籠と見えた物体は、空洞の内から見渡すと恐竜の骸骨にも思えました。大きな生きものに飲み込まれたような、不思議な感覚。これは小さい子すきだわ絶対……。
会期終了まであと半月弱、機会があれば足を運んでみてくださいね。
10/1(日)は都民の日、どなたでも無料で見られます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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*1:安全のため入場は1人ずつ、隙間から出入りするのは厳禁