「味噌汁にどんな具材を入れるか」は世界一荒れない話題だ、と思ったはなし
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あなたの「定番・味噌汁の具材」はなんですか?
それぞれスタイルが違う家事関係で、絶対にモメない話題はなんだろう。
そんなことをぼんやりと考えていたことがあります。
当たり障りのないよもやま話のネタを探していたのか、きっかけはもう忘れてしまいましたが。
「バスタオルをどれくらいの頻度で洗濯するか」
これは荒れる話題ですね、間違いなく紛糾します。
まず、想定している使い方が人それぞれで違い過ぎる点。
タオルでざっと水気をとってから使うのか、髪から体からビショビショのしずくが落ちる状態で拭くのか。バスタオルは厚手か薄手か、通常サイズかひとまわり小さいのか。
反射的に思い浮かべるものに天と地ほどの差があるので、イメージ像を共有できないまま「ありえない!!!」となり、そのひとことから一気にギスギスした雰囲気に……想像するだけで胃が痛いです。
小説やドラマのなかだけかと思っていたら、現実でもよくある揉め事らしいと知って驚きました。
それもそのはず。「赤でも白でもどっちでもいいよ、具材と合っていて濃すぎず薄すぎずなら」この世がそんなこだわりのない人間ばかりなら、ドラマで頻出するエピソードにはなりませんね。
生まれ育った家の文化ですから、否定するようなことをうっかり言うと宗教戦争まっしぐらかもしれません。こちらも取り扱い注意です。
しっくりくる話題を見つけられずに日々を重ねていましたが、ある日出かけた展覧会で「これだ」と思うものを見つけました。
BENTO おべんとう展 ――食べる・集う・つながるデザイン
誰かが誰かのために作るひとり用のお弁当は、その一つ一つに作る人と食べる人をつなぐ物語があり、作る人から食べる人への贈りものともいえます。
※BENTO展 公式HPより引用
三年近く前の展覧会ではありますが、今でも細部を憶えているほどに楽しく充実した企画でした。興味がある方は特設サイトに飛んでみてください。魅力の一端を感じ取ることができるかと思います。
日本や世界各地のさまざまな形のお弁当箱の展示から始まり、大人気シリーズのフォトエッセイ「おべんとうの時間」のカメラマン阿部了さんの写真など、見ごたえのある展示の連続。
幼稚園生の弟さんのお弁当を小学生のお姉さんがデザインし、父親である作家さんがその指示書通りに調理する、という企画も面白かったです。「プレート・火山」「たまご(わったとき)」など、幼児のお弁当向きとは思えない哲学的なデザイン画も忠実に再現していました(素材として魚肉ソーセージが大活躍だった記憶……)
「普通の」味噌汁って、なんだろう?
前置きが長くなりました。
展示作品のひとつに「中学生が自分たちの力だけでお弁当を作り、その様子を自らドキュメンタリーとして映像化する」というプロジェクトがありました。
料理を作ることに慣れていない彼らが、買い物に行き食材を選ぶ段階から始めたお弁当作り。その試行錯誤する姿もたいへん微笑ましかったのですが、私が印象に残っているのはこんなやり取りでした。
生徒A「え~ウチの味噌汁〇〇入れるよー」
生徒B「うっそマジで、俺そんなの一回も食べたことない」
なにせ三年前のことなので会話は適当ですが、このような感じです。
○○の中でAさんがあげたのは、例えば【ほうれん草と油揚げ】のような、ごくごく普通の味噌汁でした。
映像内ではこの会話を皮切りに、自分の家ではこうだ、いやその具材には絶対コレだろと味噌汁談義が盛り上がり、あげられたレシピは様々だったものの「そんなのありえない」といった完全否定の声は一度も聞かなかったのです。
どこまでも和気あいあい。途切れることなく広がっていく会話。
私が探していた「荒れない話題」……これだ!!!!! そう思いました。
我が家でキャベツの味噌汁に合わせるならば、第一候補は油揚げです。
しかし、それはあくまで私の知る範囲での話。いま調べたら「キャベツ×天かす」という(私にとっては)かなりの変化球を紹介した記事を見つけました。なるほど、天かす……お好み焼きでおなじみのラインナップですね。考えてみると非常に美味しそうです。
相手を拒絶してしまう「自分の常識とは違うな」との認識が、味噌汁の具材の話となると、どういうわけか好奇心にすり替わるのです。
このひとは変わった具をいれるんだなぁ。どんな味なんだろう。出身地の関係だろうか、それとも家庭独自のものだろうか。興味は尽きることがありません。
こんなことを思うのは食い意地のはった私だけでしょうか。でも、下記のような「郷土味噌汁大百科」的記事は皆さん大好きですよね? 某ケンミンSHOWも息が長い人気番組ですし。
47都道府県「地元応援みそ汁(味噌汁)」|「ほんだし®」で野菜みそ汁(味噌汁)のレシピ特集|味の素株式会社
(岩手の新じゃがまるごとみそ汁が食べたくてたまりません、夜遅くに見るのじゃなかった)
終わりに
今度よく知らないひとと話をする機会があれば、味噌汁の具について語らおう。
そう決意してはや数年。
残念ながらチャンスに恵まれず、コロナ禍で他人と会うことすら制限される毎日になってしまいました。
せっかくなので、こうしてブログに記してみます。
ここまで読んでくださってありがとうございました! よろしければ皆さんの「我が家の味噌汁」もコメントで教えてくださいね。
(追記)
↑↑↑ 上記のレポートも当時を思い出せる素敵な記事です
紹介した映像化プロジェクト、展示方法も変わっていたんですよね。
実物のお弁当箱のなかにディスプレイが埋め込んであって、それをのぞき込むかたちでドキュメント映像を鑑賞するんです(順番待ちも今ではよい思い出)
第二弾やってくれないかなぁ~!