みのりブログ

毎日を楽しく暮らしたいのんびり者です。

コロナ禍で美術館に行けないから、お気に入りのポストカードを蔵出ししてみた その2

<景品表示法に基づく表記>当ブログ内の一部記事にはプロモーションを含みます。

f:id:jijiminori:20211019034852p:plain

美術館のお土産=ポストカード!の私。長年のポストカード愛を語ります。

芸術の秋、ポストカード蔵出し第二弾です。

過去記事はこちら! 今回は女性に好まれそうなラインナップを揃えました。

minorimainiti.hatenablog.com

貴婦人と一角獣

まずは2013年の『貴婦人と一角獣』展から。

貴婦人と一角獣は15世紀末に織られた6枚の連作タピスリーです。「フランス以外で鑑賞できるのは最初で最後」と当時話題になったので、美術に関心のない方も覚えているかもしれません。

それもそのはず、国外に貸し出されたのは70年代・メトロポリタン美術館のみ。所蔵するクリュニー中世美術館の改装工事に合わせて実現した、まさに一期一会の美術展でした。

f:id:jijiminori:20211019031638j:plain

f:id:jijiminori:20211019031646j:plain


貴婦人がまとうドレスの赤と青が美しい、静謐な雰囲気の作品ですね。たくさんの来場者で賑わうなか、中世の時間を閉じ込めたようなタピスリーの前だけは静かだったのを覚えています。

五感を寓意的に描いた本作品。私が購入したポストカードは「聴覚」と、貴婦人が侍女から差しだされた飴玉を手にとる「味覚」です。6枚目の「我が唯一の望みに」が示すものはなんなのか……。専門家のあいだでも未だに解釈が定まらない、そんな謎めいた魅力が人を惹きつけてやみません。

MMM|クリュニー中世美術館 《貴婦人と一角獣》

 

ゆる~いアニメ&歌 日本ではこんな愛され方もしています 

国内外の美術作品をユニークなアニメと歌で表現するNHKびじゅチューン!」。

じわじわクセになると名高いこの番組に、貴婦人と一角獣を元にした歌があります。ポンコツで勤務先に迷惑をかけまくる貴婦人と、彼女を溺愛するユニコーンがかわいい……!

びじゅチューン鳥獣戯画ジム」「ナルキッソス天気予報」など他にも名曲ぞろいで、ついつい口ずさんでしまいます。興味のある方は下記リンクからどうぞ。

www.nhk.or.jp

 

ヴァンジャンヌの殺菌牛乳 (スタンラン作)

ヴァンジャンヌ産の牛乳を宣伝するポスター。

「この絵は見たことある!」という方も、作品名は初耳ではないでしょうか。ポピュラーな作品が意外にタイトルを知られていないケースは多いですよね。かく言う私自身「猫とミルク」と適当な愛称で呼んでいました。

どの展覧会で購入したものか記憶がはっきりしません。人気作ですし、展示していない絵がポストカードでは売られている場合もあるので。

 

f:id:jijiminori:20211019031559j:plain

見れば見るほど好きになってしまう絵です。表情豊かな猫たちは「さすが猫好きのスタンラン!」と思わせる出来。猫たちにミルクをねだられる少女の横顔もかわいくて、つい笑みがこぼれてしまいます(モデルは愛娘だそう)

絵のタイトルも作者もわからないけれど、少女と猫の愛らしさに思わず目をとめてしまう。商業用ポスターとして重要なことでしょう。

もちろん、これだけ長く支持されるスタンランの絵が単なる広告を超えていることは明らかです。

 

革製品ブランド「HIRAMEKI.(ヒラメキ)」のアートレザーシリーズ

 
ほのぼのとしたスタンランの絵はグッズでも非常に注目されています。
HIRAMEKI.は名画の世界を財布・バッグなどの革製品で表現しているレザーブランド。私はこちらのスタンランデザインの小銭入れを購入しました。もう10年ほど前になるでしょうか、いまも大事に使っています。
 

 
自社染色加工「アートレザー」は革製品へデザインを施す通常手法の転写プリントとは違い、革を直接染め上げているため、劣化によるひび割れやプリントの剥離がありません。なめらかな革が艶のある飴色にゆっくり変化していく様子を楽しめます。
 

f:id:jijiminori:20211019025600j:plain

愛用中のコインパース。かなり貫録がついてきました!

HIRAMEKI.[ヒラメキ]WEB本店

コロナ感染対策で加速するキャッシュレス決済。ポイント還元があったりと便利ですが、バッグの中に好きな名画のお財布をしのばせるのも楽しいものです。

HIRAMEKI.はパスケースの種類も豊富です。ICカードにチャージすればレジでの支払いにも対応でき、値段も手ごろ。次に買うのはパスケースかなと考えていますが、どのデザインにするか……すべて素敵なので悩むところですね。

 

 

 

 

睡れる幼きモデル 他 (児島虎次郎)

f:id:jijiminori:20211019031947j:plain

岡山県倉敷市大原美術館へ遊びに行ったとき購入した児島虎次郎作品。

左「和服を着たベルギーの少女」右「芝の上」

今回の記事のうち、いちばん古いポストカードです。とても楽しい旅行でした、懐かしい! 美観地区の川面にきらきら反射する夏の光が眩しくて、美しい町並みとともに鮮明に記憶しています。(後ろに写ったチケットは倉敷チボリ公園のもの)

 

とくに気に入り、しばらく見惚れてしまったのがこちら「睡れる幼きモデル」。

f:id:jijiminori:20211019032128j:plain

 なんて幸せそうな顔でまどろむ少女!

あまりの愛らしさに友人に送る用にもポストカードを買い込み、たいそう喜んでもらって大満足でした。ドレスや家具などテキスタイルの描写も凝っており、いつか細かい描写もよく見たいと願いながら叶わずにいます。


f:id:jijiminori:20211019032104j:plain



f:id:jijiminori:20211019032338j:plain


下記リンクはVR大原美術館の展示室の空気を味わおう!という面白い試み。現代の技術はすごいですねぇ、臨場感たっぷりでした。やはり大原美術館所蔵で衝撃を受けた作品、セガティー二「アルプスの真昼」の展示風景も見られます。

 

バーチャル展示室 | 大原美術館

f:id:jijiminori:20211019032413j:plain


倉敷チボリ公園といえば、今回調べて閉園していることを知りました……アウトレットパークになってしまったのですね。寄った時間はわずかでしたが、夜景が素晴らしくきれいだった思い出。JR倉敷駅前のからくり時計をはじめ、公園の遺産はあちこちに残っているらしいので、訪れたときに眺めたいと思います。

 

www.okayama-kanko.jp

 

【雑感】永遠と、限りあるものの狭間で

コロナでイベントが延期・中止されたアスリートや俳優さんの嘆きを耳にし、胸が痛むことが多い日々でした。それと比べれば、絵画や工芸は長く世に残るもの。企画展が流れてしまっても、いつかまた出会えるからと自分を納得させていた美術ファンは多いと思います。
 
けれど、ひとつの企画を実現するには何年もの準備期間と、気の遠くなるほどの労力が必要なんですよね。
 
貴婦人と一角獣のように、門外不出の作品が来日することもタイミングが違えば不可能だったでしょう。フランスでは見られると言っても、誰もが海外旅行に行けるわけではありません。美術展の開催期間はせいぜい2ヶ月程度、地方巡回展がなければ鑑賞する機会はさらに減ってしまう。
 
1日ずつ確実に老いていく人間とは比較できませんが、私は美術品もまた永遠ではないと考えます。破損や紛失といった物理的な意味だけではなく。
限りある出会いを心置きなく楽しめるように、収束までもう少しのあいだ頑張りたいと思います。