コロナ禍で美術館に行けないから、お気に入りのポストカードを蔵出ししてみた その2
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美術館のお土産=ポストカード!の私。長年のポストカード愛を語ります。
芸術の秋、ポストカード蔵出し第二弾です。
過去記事はこちら! 今回は女性に好まれそうなラインナップを揃えました。
貴婦人と一角獣
まずは2013年の『貴婦人と一角獣』展から。
貴婦人と一角獣は15世紀末に織られた6枚の連作タピスリーです。「フランス以外で鑑賞できるのは最初で最後」と当時話題になったので、美術に関心のない方も覚えているかもしれません。
それもそのはず、国外に貸し出されたのは70年代・メトロポリタン美術館のみ。所蔵するクリュニー中世美術館の改装工事に合わせて実現した、まさに一期一会の美術展でした。
貴婦人がまとうドレスの赤と青が美しい、静謐な雰囲気の作品ですね。たくさんの来場者で賑わうなか、中世の時間を閉じ込めたようなタピスリーの前だけは静かだったのを覚えています。
五感を寓意的に描いた本作品。私が購入したポストカードは「聴覚」と、貴婦人が侍女から差しだされた飴玉を手にとる「味覚」です。6枚目の「我が唯一の望みに」が示すものはなんなのか……。専門家のあいだでも未だに解釈が定まらない、そんな謎めいた魅力が人を惹きつけてやみません。
ゆる~いアニメ&歌 日本ではこんな愛され方もしています
国内外の美術作品をユニークなアニメと歌で表現するNHK「びじゅチューン!」。
じわじわクセになると名高いこの番組に、貴婦人と一角獣を元にした歌があります。ポンコツで勤務先に迷惑をかけまくる貴婦人と、彼女を溺愛するユニコーンがかわいい……!
びじゅチューンは「鳥獣戯画ジム」「ナルキッソス天気予報」など他にも名曲ぞろいで、ついつい口ずさんでしまいます。興味のある方は下記リンクからどうぞ。
ヴァンジャンヌの殺菌牛乳 (スタンラン作)
ヴァンジャンヌ産の牛乳を宣伝するポスター。
「この絵は見たことある!」という方も、作品名は初耳ではないでしょうか。ポピュラーな作品が意外にタイトルを知られていないケースは多いですよね。かく言う私自身「猫とミルク」と適当な愛称で呼んでいました。
どの展覧会で購入したものか記憶がはっきりしません。人気作ですし、展示していない絵がポストカードでは売られている場合もあるので。
見れば見るほど好きになってしまう絵です。表情豊かな猫たちは「さすが猫好きのスタンラン!」と思わせる出来。猫たちにミルクをねだられる少女の横顔もかわいくて、つい笑みがこぼれてしまいます(モデルは愛娘だそう)
絵のタイトルも作者もわからないけれど、少女と猫の愛らしさに思わず目をとめてしまう。商業用ポスターとして重要なことでしょう。
もちろん、これだけ長く支持されるスタンランの絵が単なる広告を超えていることは明らかです。
革製品ブランド「HIRAMEKI.(ヒラメキ)」のアートレザーシリーズ
コロナ感染対策で加速するキャッシュレス決済。ポイント還元があったりと便利ですが、バッグの中に好きな名画のお財布をしのばせるのも楽しいものです。
HIRAMEKI.はパスケースの種類も豊富です。ICカードにチャージすればレジでの支払いにも対応でき、値段も手ごろ。次に買うのはパスケースかなと考えていますが、どのデザインにするか……すべて素敵なので悩むところですね。
睡れる幼きモデル 他 (児島虎次郎)
岡山県倉敷市の大原美術館へ遊びに行ったとき購入した児島虎次郎作品。
左「和服を着たベルギーの少女」右「芝の上」
今回の記事のうち、いちばん古いポストカードです。とても楽しい旅行でした、懐かしい! 美観地区の川面にきらきら反射する夏の光が眩しくて、美しい町並みとともに鮮明に記憶しています。(後ろに写ったチケットは倉敷チボリ公園のもの)
とくに気に入り、しばらく見惚れてしまったのがこちら「睡れる幼きモデル」。
なんて幸せそうな顔でまどろむ少女!
あまりの愛らしさに友人に送る用にもポストカードを買い込み、たいそう喜んでもらって大満足でした。ドレスや家具などテキスタイルの描写も凝っており、いつか細かい描写もよく見たいと願いながら叶わずにいます。
下記リンクはVRで大原美術館の展示室の空気を味わおう!という面白い試み。現代の技術はすごいですねぇ、臨場感たっぷりでした。やはり大原美術館所蔵で衝撃を受けた作品、セガンティー二「アルプスの真昼」の展示風景も見られます。
倉敷チボリ公園といえば、今回調べて閉園していることを知りました……アウトレットパークになってしまったのですね。寄った時間はわずかでしたが、夜景が素晴らしくきれいだった思い出。JR倉敷駅前のからくり時計をはじめ、公園の遺産はあちこちに残っているらしいので、訪れたときに眺めたいと思います。